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(ロシア語)文章の構成を理解することはとても大切です [ロシア語]

 ロシア語にとって、格は大事です。

 たとえば、ちょっと極端な例ですが……この二つの文章。

(1)Я пошёл в кино, Виктор нет.
(2)Я пошёл в кино, Виктора нет.(※ちょっと無理のある表現です)

 二つの文章の違いは1文字です。
「私は映画に(歩いて)行きました」は同じですがその後はどうでしょう?
辞書を引いてみると、『НЕТ』は「いいえ」、「存在しない・いない」、「前に述べたことの否定」とあります。
 で、これだけ判っているのに、『Виктора』と『Виктор』の役割が判らないと、どう訳していいのか判りません。
(1)Я пошёл в кино, Виктор нет.
           「Виктор=主格」
 訳:私は映画に行きました、ビクトルはそうではありません。

(2)Я пошёл в кино, Виктора нет.
           「Виктора=生格」
 訳:私は映画に行きました、ビクトルはいませんでした。

 このような違いが出てきます。
 単語の並んでいる順番は同じなのに、一文字が違うだけで、こんなにも変わってしまいます。
 むしろ(2)の文章は、Я пошёл в кино, нет Виктора.とした方が理解しやすいかもしれません。

 ただ、ロシア語の怖さは、とても微妙なニュアンスをこの小さな格や語順、場合によっては「,」などで表していることがあるので、それらをきちんと理解するのがとても難しいんです。


 ニュアンスの話が出てきたので、ちょっとニュアンス繋がりで別の話をします。
(3)Я открыл сумку моего учебника нет.
(4)Я открыл сумку, моего учебника нет.
 この二つの文章にも、ニュアンスの違いがあります。

Я открыл сумку моего учебника нет.
 私が鞄を開けたら私の教科書はなかった。
(淡々とした状況説明)
Я открыл сумку, моего учебника нет.
 私が鞄を開けたら、「なんと!」私の教科書はなかった。
(鞄を開けたら、『一瞬間があって』「あっ! やばい、ないよ!」って愕然とした感じ)

 これは非常に詳しく説明しはじめると、いろいろと難しい事柄だそうです。

 それと先生曰く、日本人のロシア語には……

「日本人は、日本人が理解しやすいようにしたロシア語の文法で勉強するのが一般的ですが、その中には誤解している部分もあり、日本人のロシア語が不自然な原因になっている」
 ……そうです。
(先生自身は、そういう日本人のロシア語と接しているうちに「日本人の感覚が導き出した、面白い表現だ」と感じるようになり、ここ最近、日本で教えられているロシア語の文法にとても興味が出てきている、そうです)

 まぁ、そんな訳で、格がなんなのかをきちんと理解するこが、文章の構成を理解するための第一歩だといえます。

 私自信、格についての理解が深まってみると、それまでとても難儀していた文章が、以外にもさらっと理解できることに驚いたりしています。

 まぁ、それと私が英語でつまずいていた原因が……文法もさることながら、特に「文章の構成をきちんと理解できていない」ということに問題があるというのが判りました。
 単語一つ一つは判ったとしても、それらがどのように結びついているのか、ということに余りに無頓着で、単語を並び替えて日本語にしてみる、まるでパズルゲームのようなことしかしていなかった、というのが判ります。

 私の友人には「ロシア語を勉強する前には、英語をある程度勉強した方が良い」と言う人もいますが、私のように「文章の構成を理解せずに、力業で日本語に直す」人の場合は、最初からロシア語をきちんと勉強した方が間違いなく早く身につくと思います。

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