(ロシア語)「егоの落とし穴」彼のモノだけど、彼自身のモノではない [ロシア語での落とし穴]
さて、以下の二つの文章なのですが…
(1)Виктор смотрит его машину.
(2)Виктор смотрит свой машину.
(※後で気が付きました! Виктор смотрит свою машину. が正しいです! своюはсвояの対格です)
これをそのまま日本語に訳すと…
(1)ビクトルは、彼の自動車を見ています。
(2)ビクトルは、自分の自動車を見ています。
となって、どちらも同じ内容に受け取ってしまいます。
しかし、実際には、内容は全く違います。
(1)では、ビクトルが見ている自動車は、ビクトルのもの(ビクトルが所有しているもの)ではありません。この場合のロシア語の「его」には、ビクトルが含まれません。
つまり、この場合の「彼」は、ビクトルの友達とか、知り合いとか、前後の文脈で出てきた、ビクトル以外の「彼」なのです。
(2)では、間違いなく、自動車はビクトルのもの(借り物かもしれませんが)になります。
(絵心がなくてすいません。まるで古代エジプト遺跡から発掘されたような絵になってしまいました)
(※ここでもсвойではなくсвоюが正しいです!)
英語の知識をそのまま使って訳してしまうと、全く違ったものになるので注意しましょう。
もちろん私は、しばらくこの違いに気がつきませんでした。
どちらもそのまま日本語に直訳してしまうと、ニュアンスがズレたことに気がつきません。
彼女の「её」なども同様です。
同じように…
Он смотрит его машину.
この場合の、「Он(彼)」と「егоが表している(彼)」は同一人物ではありません。
以外と大きなポイントだと思うのですが、初級者用のロシア語の語学書には、これについてはほとんど説明されていませんので注意が必要です。
おそらくこの知識は、ロシア語の文章を訳すだけなら前後の文章から、「彼」が誰なのか、をつかめることが多いので説明されることが少ないのかもしれません。
とはいえ自分からロシア語で話そうとする時(ロシア語で表現しようとする時)には、知っているかいないかでずいぶん違う重要なポイントだと思うのですが…
(1)Виктор смотрит его машину.
(2)Виктор смотрит свой машину.
(※後で気が付きました! Виктор смотрит свою машину. が正しいです! своюはсвояの対格です)
これをそのまま日本語に訳すと…
(1)ビクトルは、彼の自動車を見ています。
(2)ビクトルは、自分の自動車を見ています。
となって、どちらも同じ内容に受け取ってしまいます。
しかし、実際には、内容は全く違います。
(1)では、ビクトルが見ている自動車は、ビクトルのもの(ビクトルが所有しているもの)ではありません。この場合のロシア語の「его」には、ビクトルが含まれません。
つまり、この場合の「彼」は、ビクトルの友達とか、知り合いとか、前後の文脈で出てきた、ビクトル以外の「彼」なのです。
(2)では、間違いなく、自動車はビクトルのもの(借り物かもしれませんが)になります。
(絵心がなくてすいません。まるで古代エジプト遺跡から発掘されたような絵になってしまいました)
(※ここでもсвойではなくсвоюが正しいです!)
英語の知識をそのまま使って訳してしまうと、全く違ったものになるので注意しましょう。
もちろん私は、しばらくこの違いに気がつきませんでした。
どちらもそのまま日本語に直訳してしまうと、ニュアンスがズレたことに気がつきません。
彼女の「её」なども同様です。
同じように…
Он смотрит его машину.
この場合の、「Он(彼)」と「егоが表している(彼)」は同一人物ではありません。
以外と大きなポイントだと思うのですが、初級者用のロシア語の語学書には、これについてはほとんど説明されていませんので注意が必要です。
おそらくこの知識は、ロシア語の文章を訳すだけなら前後の文章から、「彼」が誰なのか、をつかめることが多いので説明されることが少ないのかもしれません。
とはいえ自分からロシア語で話そうとする時(ロシア語で表現しようとする時)には、知っているかいないかでずいぶん違う重要なポイントだと思うのですが…
(ロシア語)一箱のお菓子(表現上のスタート地点の違い) [ロシア語での落とし穴]
先日、頂いたロシアのお土産の中に、チョコレートがありました。
実はこれ日本で買うとかなりなお値段のものだったりします。しかもこのお菓子はおいしくて、誰にも分けずにコソコソと一人でたべてしまいました。
さて、この「チョコレート一箱」は、「коробка конфет」となります。
「 коробка」は「(包装用の)箱」で単数形主格、「конфета」は「(キャンディやチョコレートの)お菓子」で、「конфет」は複数形生格で後ろからどういうものかを説明しています。
で…実はこれ文章の成り立ちが日本語とロシア語でかなり違います。
『表現上のスタート地点』が、日本語では「お菓子」ですが、ロシア語では「箱」なのです。
※ 別に日本人はお菓子に興味があるけど、ロシア人は箱に興味があるって訳ではありません。日本人でもロシア人でも思っていることは同じです。
なので、この一箱のお菓子はいくらですか? をロシア語にすると…
Сколько стоит эта коробка конфет?
と、動詞が単数形になるのです。
私はこの(箱に入っている)お菓子が好きです、の場合ならば…
Мне нравится эта коробка конфет.
と、動詞が単数形になるのです。
もし、お菓子が箱の外に出されてしまって、自分の意識がチョコレートそれぞれに向けられているなら
Мне нравятся эти конфеты.
と、チョコレートは名詞(女性名詞)の複数(主格)になり、そのため動詞も複数形となるわけです。
同じようなものに、一箱(ひと包み)のタバコ「пачка сигарет」があります。
もし、これらのロシア語の文章を日本語に直訳して、「箱」とか「包み」に重点を置いてしまうと、ニュアンスを取り違える危険があるので注意しましょう。
実はこれ日本で買うとかなりなお値段のものだったりします。しかもこのお菓子はおいしくて、誰にも分けずにコソコソと一人でたべてしまいました。
さて、この「チョコレート一箱」は、「коробка конфет」となります。
「 коробка」は「(包装用の)箱」で単数形主格、「конфета」は「(キャンディやチョコレートの)お菓子」で、「конфет」は複数形生格で後ろからどういうものかを説明しています。
で…実はこれ文章の成り立ちが日本語とロシア語でかなり違います。
『表現上のスタート地点』が、日本語では「お菓子」ですが、ロシア語では「箱」なのです。
※ 別に日本人はお菓子に興味があるけど、ロシア人は箱に興味があるって訳ではありません。日本人でもロシア人でも思っていることは同じです。
なので、この一箱のお菓子はいくらですか? をロシア語にすると…
Сколько стоит эта коробка конфет?
と、動詞が単数形になるのです。
私はこの(箱に入っている)お菓子が好きです、の場合ならば…
Мне нравится эта коробка конфет.
と、動詞が単数形になるのです。
もし、お菓子が箱の外に出されてしまって、自分の意識がチョコレートそれぞれに向けられているなら
Мне нравятся эти конфеты.
と、チョコレートは名詞(女性名詞)の複数(主格)になり、そのため動詞も複数形となるわけです。
同じようなものに、一箱(ひと包み)のタバコ「пачка сигарет」があります。
もし、これらのロシア語の文章を日本語に直訳して、「箱」とか「包み」に重点を置いてしまうと、ニュアンスを取り違える危険があるので注意しましょう。
(ロシア語)「生格の落とし穴」この形容詞はどこにかかる? 文章の構成について [ロシア語での落とし穴]
今回は、ずーっと私自身がハマっていた生格の落とし穴についての報告です。
まず、この文章…
(1)Я читаю учебник русского языка.
私はロシア語の教科書を読んでいます。
"учебник"(教科書)に、русский язык(ロシア語)の生格がくっついています。
Я читаю учебник русского языка.
主格 動詞 対格(不活動) 生格 生格
特に問題なく理解できると思います。
で、問題は次です。
(2)Я читаю учебник русской литературы.
私はロシア文学の教科書を読んでいます。
Я читаю учебник русской литературы.
主格 動詞 対格(不活動) 生格 生格
ここで(1)と(2)に違いがあります。
(1)はруссккого、(2)русскойになっています。
注意するのは「(2)のрусскаяが直接に修飾しているのは、литератураであって、учебникではない」のです。
混乱しやすい理由は、「русская литератураをひとつとして捉えてしまうと、これはучебникを修飾している」、とも捉えられるので、ついついрусскаяを男性名詞の形容詞の変化であるрусскогоに間違えてしまうのです。
ここは、私が間違っていたポイントなんです!
そもそもこの間違いやすいポイントを解説している文法書があんまりなかったりします…
(ひょっとして、ここはみんな間違わないんでしょうか?)
たとえば、これ。
Я читаю русский учебник. 私はロシアの教科書を読んでいます
主格 動詞 対格(不活動) 対格(不活動)
こちらは対格が使われていて、文章の構成が今までと違っています。
この例文のあとに…
Я читаю учебник русского языка.
こんなのが出てくると、русскогоは、языкではなくつい、учебникを修飾していると勘違いします。
この順番で解説されると…まず、確実に間違います。
私は、長い間理解できませんでした。
気をつけましょう!
実は…、最近発売された黒田龍之助さんの「初級ロシア語文法」で、私の場合、これが今まであやふやだったことに気が付いたんです。
最初、思いっきり正攻法なタイトルだったので、本屋さんの店頭で黒田さんの本であることに気が付かず、Amazonで検索して気が付いたんです。
で、よくよく内容を細かく見てみると、今回のようなハマるポイントがいくつも解説されています。しかも、口語調なので読みやすくなっています。
ただ表紙と、ページを開いてぱっと見た時の印象が地味なので、黒田さんが書いた本ではないと思い込んだり、他の本との違いが判らなかったりします。
値段もちょっと高めの3300円くらい、ページ数も400ページと厚いですが、それに見合う価値はあると思います。
NHKの「新ロシア語入門」は途中で飽きてしまいましたが…この本は、間違いなく毎日勉強できる本に仕上がっています。
黒田さんの前書き(この本小説のような前書きがあるんです!)によれば、最後まで読み通せるようにしたとのことです。後書きもありますが…まだ読んでいません。(^^;;
※流石に、この後、まもなくして読み通す事が出来ました。
この本は、私がちゃんと全部読み通せた初めての語学書(文法書)となりました。
過去に紹介した語学書は、途中で放り出したり、挫折しました。ちなみにいちばんはやく挫折したのはNHKのやつでした。あの本は、すごく上から見下ろされているような気がしてイヤでした。
まず、この文章…
(1)Я читаю учебник русского языка.
私はロシア語の教科書を読んでいます。
"учебник"(教科書)に、русский язык(ロシア語)の生格がくっついています。
Я читаю учебник русского языка.
主格 動詞 対格(不活動) 生格 生格
特に問題なく理解できると思います。
で、問題は次です。
(2)Я читаю учебник русской литературы.
私はロシア文学の教科書を読んでいます。
Я читаю учебник русской литературы.
主格 動詞 対格(不活動) 生格 生格
ここで(1)と(2)に違いがあります。
(1)はруссккого、(2)русскойになっています。
注意するのは「(2)のрусскаяが直接に修飾しているのは、литератураであって、учебникではない」のです。
混乱しやすい理由は、「русская литератураをひとつとして捉えてしまうと、これはучебникを修飾している」、とも捉えられるので、ついついрусскаяを男性名詞の形容詞の変化であるрусскогоに間違えてしまうのです。
ここは、私が間違っていたポイントなんです!
そもそもこの間違いやすいポイントを解説している文法書があんまりなかったりします…
(ひょっとして、ここはみんな間違わないんでしょうか?)
たとえば、これ。
Я читаю русский учебник. 私はロシアの教科書を読んでいます
主格 動詞 対格(不活動) 対格(不活動)
こちらは対格が使われていて、文章の構成が今までと違っています。
この例文のあとに…
Я читаю учебник русского языка.
こんなのが出てくると、русскогоは、языкではなくつい、учебникを修飾していると勘違いします。
この順番で解説されると…まず、確実に間違います。
私は、長い間理解できませんでした。
気をつけましょう!
実は…、最近発売された黒田龍之助さんの「初級ロシア語文法」で、私の場合、これが今まであやふやだったことに気が付いたんです。
最初、思いっきり正攻法なタイトルだったので、本屋さんの店頭で黒田さんの本であることに気が付かず、Amazonで検索して気が付いたんです。
で、よくよく内容を細かく見てみると、今回のようなハマるポイントがいくつも解説されています。しかも、口語調なので読みやすくなっています。
ただ表紙と、ページを開いてぱっと見た時の印象が地味なので、黒田さんが書いた本ではないと思い込んだり、他の本との違いが判らなかったりします。
値段もちょっと高めの3300円くらい、ページ数も400ページと厚いですが、それに見合う価値はあると思います。
NHKの「新ロシア語入門」は途中で飽きてしまいましたが…この本は、間違いなく毎日勉強できる本に仕上がっています。
黒田さんの前書き(この本小説のような前書きがあるんです!)によれば、最後まで読み通せるようにしたとのことです。後書きもありますが…まだ読んでいません。(^^;;
※流石に、この後、まもなくして読み通す事が出来ました。
この本は、私がちゃんと全部読み通せた初めての語学書(文法書)となりました。
過去に紹介した語学書は、途中で放り出したり、挫折しました。ちなみにいちばんはやく挫折したのはNHKのやつでした。あの本は、すごく上から見下ろされているような気がしてイヤでした。